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コロナ禍でのオンライン環境整備
今私が入っているプロジェクトもほぼ現場に行くことがなくて。朝から晩までずっとオンラインミーティングが当たり前なので、感覚が世間とずれちゃってますね。
樫村:コロナ前からSkypeとかオンライン環境の整備ができている会社はおそらくワークスタイルの大きな変化はないと思うんですね。一方でオンラインに慣れていない会社や対面でやっていましたという会社は、今の新しいワークスタイルに慣れるまで時間がかかっています。zoomもやっと去年の暮れに導入しましたとか。ワンテンポ遅れてきてる。反面IT業界はそもそもそういう体制が整っていたと思うんですよね。
廣田:そうですね、どちらかというと。
樫村:IT以外の業界ってこれからどうしよう、なんですよね。これから導入していこう、ITツールとかITインフラを整備していこうっていう風な。
廣田:私が前にいた会社は、オリンピック(2020年に東京オリンピック開催予定があった)が開幕したら都市部の交通機関が麻痺して出社不可能だろうと、事前にある程度ネットワーク回線の補強やリモートワークの実証実験をやり始めていて。そこにコロナが来たので、わりとスムーズに移行できたのですよね。オリンピックってワークスタイルの転換でもエポックメイキング(その分野に新時代を開くほど意義をもっている様)に近いものがあったと思っていて。そこに向けた話とコロナの話は連動しそうですけど、そうでもなかったのですね。
樫村:そうでもないですね。そうでもない業界が多いっていうことですね。
樫村:特に、弊社だと不動産業界とか小売店、いわゆるサービス業なんかはやっとオンラインで面接しますとか。ここ1年ぐらいたってからようやく腰を上げたみたいなところもあります。
廣田:ちょうど1年ですよね。1年で状況変化、これが本格的に変わっちゃうんだなっていう、腹が決まったって感じなんですかね?
樫村:はい、それと、この1年以内は「また元に戻るんじゃないか」みたいな期待値というか、希望もあったのだろうけれど。そうじゃないなって分かって来て。「いよいよまずい」と、社内のITの整備を始めた会社さん多いですね。で、面接もやっと対面からオンラインに切り替えたっていうのが最近の流れとしてはあるかなぁと。
CPAでは見えないところ
樫村:採用も「テクニックありき」なところがあって。SNSを活用していかに安価でとるかみたいな。
廣田:いろいろなものの基準がCPAで測られがちです…。企業活動のオンライン化が進む中、より見えてしまうじゃないですか、その一つの行動に対し幾らかかったのか。計算できてしまう。数字として見えるものを、人間は追ってしまいますよね。
樫村:見ますよね。確かに数字は正直なところがあるんだけども、そこに現れない、いかに真意とか本質を読み解くかみたいなことって大切だなと僕は思っていて。
廣田:データが取れるからより見えにくくなっているものはありますよね。
樫村:あると思います。ずれてると思うんですよね、本来のその目的。「数をたくさん攻めたら勝ち」のような、それ自体が目的化してしまっている。求人応募件数をいかにあげていくかとか。
廣田:確かにそうですね。
応募が10件でもその会社にとって欲しい人が1人取れれば良い話なんですけど。
廣田:ポジションは1個だけですもんね。
樫村:そうです。でもKGIをそこに置かない人事の方がいまだに多い。だからそこの価値観を変えていくところから経営課題として経営者と一緒に話し合っていくことが大切かなと。