ビジネスSNS戦略ー心理的安全性を携えたフィールドへ

Twitterでのファンタジーアカウントと実名アカウント

松本:僕はTwitterのフォロワー数が2年間で3万まで伸びました。

Twitterは、皆さんビジネスで使っていますし、いい面もあります。Twitterが唯一の選択肢と思って使っていましたが、ビジネスで使うには問題も多かった。それが匿名文化です。

総務省の調べだと7割が匿名と言いますが、実際はもっと多いと思います。ビジネス界隈すら匿名が7割以上いる。つまりTwitterでは身元不明の怪しい人がアカウントをどんどん伸ばしているんですよ。

なぜ怪しい人でも伸びるのか、「一生懸命やるから」です。

Twitterは特に、数が大事です。ベンチャーみたいな話で、やるかやらないかの「量」なんです。営業マンがきちんと数やれば伸びるという世界と同じです。毎日ひたすらTwitterでリプライし、いいねを押し、tweetしたら伸びます。多少嘘臭さが混じっていても、行動量があれば上にいけます。そんなふうに根性がある人は伸びやすい。

実は、どんなに良いイメージがついていても、きちんと定期的に発信する人はあまり伸びません。

つまり、真面目に実名でやっている人はとても勝てないんです。一方、匿名で“盛っている”ファンタジーアカウントはいくらでも行動量をとれるし、話を盛れます。

廣田:ビジネス系の匿名アカウントだと「副業で何千万」や「フリーランスエンジニア、未経験から1000万円!」というアカウントをよく見かけますね。

松本:はい。それを悪用すると、インフルエンサーの悪用ビジネスになってしまいますので、やはり、ちょっとまずいと思うのです。

松本:僕は実名でTwitterを伸ばしてきた自負がある一方で、限界も見えています。

実名で素のキャラクターでは、匿名のファンタジーキャラクターにやっぱり勝てないんです。

松本
松本

それならばゲームチェンジをしよう。

「実名で真っ当な、素の自分」で戦うために、ビジネスの舞台を変え、LinkedInに行こう。

Twitterでは真っ当キャラはファンタジーアカウントの嘘に勝てないので、本当にゲームをチェンジをする。場所を変えてLinkedInをビジネスの舞台にするということをやっています。

SNSでの実在性確認

廣田:SNSがビジネスの舞台になりつつあったり、キャリアの中のリファレンスチェックで使われたりするようになりました。SNS上の人格が本当に実在するのか、確認が必要になってきますよね。

松本:一定以上の年齢層に関しては、Facebookが「名刺代わり」の効果を持たせることができているように、SNSごとの特性があります。その点、LinkedInは推薦文を書ける機能があり、リファレンスチェックには最適です。人材業界のユーザーから「この機能があれば紹介会社のリファレンスがいらなくなる」という反応もあるくらいです。例えば、きちんとした方から10人くらい推薦が入っていれば実在性は確認できるし、信用できますよね。

Twitterは架空の人材、中身はライターさんだろうという人もいますよね。例えば、プロフィールには某有名企業役員と書いてありますが1日中tweetしている。そこまで暇な役員がいるわけがないのですが、みんなそれを信じるんです。

廣田
廣田

そもそも、そのような立場の人は1日中Twitterにいることはできませんよね。

松本:そういうことが分かっていない人が多いのです。アカウント運用の目的はアフィリエイトということすら。

誤解してほしくないのは、そういった匿名アカウントの人たちを批判するつもりはないということです。Twitterはネタをネタとして楽しむ、エンターテイメントワールドだと楽しむ分には問題ないんですよ。でも、Twitterを「ビジネスで使う」という意図があるのであれば、そういう現実をきちんと認識した上でSNSを選択すべきだということです。

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