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Portfolio Management概要
IT投資に関するプログラムや要望を一元的に管理できるServiceNowのPortfolio Managementは、今回のRomeバージョン(2021年10月8日リリース)で大きくアップデートされました。
ITに関連することだけでなく、企業内のワークフロー全般を管理できるServiceNowだからこそ効率的な管理が実現できる(かつなかなか日本企業での導入は進んでない)本機能をおさらいしてみました。
ServiceNow® Portfolio Managementアプリケーションでは、関連するプログラム、要望、プロジェクトをまとめたポートフォリオを作成することができます。作成後は、ステータスや進捗状況を監視しながら、ポートフォリオに基づいた財務計画を実行できます。
ポートフォリオの管理には、it_portfolio_managerロールが必要です。ロールを持った管理者は、次のようなことができます。
- 関連するプログラム、要望、プロジェクトを追加してポートフォリオを作成。
- プログラム、要望、プロジェクトの年次ポートフォリオ計画を実行。
- ポートフォリオに含まれるすべてのプログラム、要望、プロジェクトの進捗状況をトラッキング。コスト、リソース、スケジュール、リスク、懸念事項をトラッキング。
次の動画は、ポートフォリオの構成、ポートフォリオやプログラムの作成、利害関係者登録の設定、ポートフォリオワークベンチについて説明しています。
次の図は、Portfolio Managementの概要を示しています。
Portfolio Managementの概要
特徴
Portfolio Managementには次のような機能があります。
ポートフォリオワークベンチ
ポートフォリオワークベンチでは、ポートフォリオに含まれるプログラム、要望、プロジェクトの進捗状況を一元的に表示、監視することができます。また、年次ポートフォリオ計画の実行、ポートフォリオの予算計画や予測計画の作成も可能です。
ポートフォリオの年次計画
ポートフォリオワークベンチには、年次計画ウィザードがあります。年次計画は次のような手順で行われます。
- ポートフォリオの全体的なコスト要件を決定し、目標を設定。
- 予算目標と利用可能なリソースに基づいて、会計年度の要望、プロジェクトを選択。
- 予算計画を作成、実行。
- 必要に応じて、予算確定前に要望、プロジェクトを追加または削除。what-if分析 (意思決定など際して、それぞれのケースで想定される結果を計算) を実施、予算計画を再実行。
ポートフォリオの予算予測
ポートフォリオワークベンチでは、実際のコストとプロジェクトの要件変更に基づいて、将来のポートフォリオの予算を再見積もり (予測) することができます。
ポートフォリオのトラッキング
財務計画後は、ポートフォリオワークベンチでポートフォリオの進捗状況をトラッキングできます。予算に対して実際に要した金額、時間、リスク、懸念事項をトラッキングします。
ポートフォリオ管理者ダッシュボード
ポートフォリオ管理者ダッシュボードでは、ポートフォリオや財務に関するさまざまなグラフィカルレポートの一元管理、生成が可能です。
シナリオベースのポートフォリオ計画
ServiceNow StoreからScenario Planning for PPMアプリケーションをインストールすると、要望とプロジェクトのあらゆる組み合わせでシナリオベースのポートフォリオ計画を実行できます。ポートフォリオ内の複数のシナリオの比較によって、組織の財務上有益な要望とプロジェクトのみに限定した投資が可能になります。
事前に複数のシナリオをシミュレーションできるので、より正確な予測が可能になります。
ポートフォリオの作成
関連するプログラム、要望、プロジェクトを管理するポートフォリオを作成します。
ポートフォリオステータスリストを開く
ポートフォリオのステータスリストを開いて、ポートフォリオに含まれるプロジェクトを表示します。
従来のポートフォリオワークベンチ
ポートフォリオワークベンチでは、関連する要望とプロジェクトのリストの表示、ポートフォリオの計画、進捗のトラッキングを一元的に行うことができます。Parisのリリースでは、ポートフォリオワークベンチは非推奨になりました。以前のリリースからアップグレードされたインスタンスでは引き続き使用可能ですが、新しいインスタンスでは使用できません。
Scenario Planning for PPM
Scenario Planning for PPMアプリケーションでは、特定の会計年度のプロジェクト実行のロードマップの作成、トラッキングを一元管理できます。ServiceNowのProject Portfolio Managementは、個別のアプリケーションを組み合わせることによって、プロジェクトポートフォリオ管理や組織のIT開発におけるシンプルな手法を提供します。要望とプロジェクトのロードマップやリソースに対してさまざまなシナリオを作成し、比較することで、予算やリソースの使用を最適化します。
ポートフォリオダッシュボード
ポートフォリオダッシュボードでは、ポートフォリオに関するさまざまな グラフィカルレポートの一元管理、生成が可能です。
グラフィカルレポートによって瞬時に状況を把握できるので、管理者自身の理解はもちろん、意思決定者、実際の利用者への説明にも威力を発揮します。
ServiceNowのPortfolio Managementの特徴は、日々のオペレーションからIT投資のポートフォリオ作成まで一気通貫で管理できる点です。
ServiceNowの導入をご支援する際にも「まずは計画から」というお話をさせていただいていますが、まずはTobeを描くことが大事。Tobeを描くための材料を効率的に収集できることは、IT投資を成功に導く秘訣です。
株式会社Number ITコンサルティング事業部 ServiceNow担当 廣田真一
mail:info@number.onl